あんなに楽しみにしていたフランスに旅立つ前日、じいさんが死んだ。膵臓癌。
今回のパリ行きは仕事でのひとつの分岐点であり、また1年間の苦渋を発散するはずだったのだけれど、軽ーく潰されてしまった。「万が一」が来た。日頃の行い。
楽しい計画も、新しいスーツケースも、エールフランスも、買いこんだフイルムもパア。
「死人に口無し」ではあるがこのじいさん、我が家の家族関係を石井ふく子プロデュースかよ!というほどドロドロしたものにした張本人だ。特に1年前、この人が病気になってからは嫌悪の連続だった(自己嫌悪も含む)。腸が煮えくり返るって感じもこの人に教えてもらいました。
家の外では調子よくやっておいて、家の中では父親を無視し、母親を蔑み、僕に何から何まで誤魔化してきた。本当に無責任なひと。本当にこの人の身勝手で家族は泣かされ、人生狂わされてきた。この1年、その修正に踏ん張ってきたけど、結構疲れました。これはホントに疲れた。
だからパリ行きは「ギアチェンジ」のつもりだった。でもそんなチャンスがひとつ流れてった。
この人の死に、本当に大した感慨はない。ただ悔しい。
自分が作った問題は自らの世代のうちに解決すべきだ。2世代も下にまでツケをまわすな。
それを無視したまま死ぬな畜生。
こんな歳にもなって家族の愚痴などを書いているのは、大人気ない、と思う。
そしてこんなこと書いている自分にまた嫌気がさす。まだじいさんの思惑の中で踊らされているようで悔しい。
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